2013年8月18日(日) 勉強会のご報告

本日も暑い一日でしたが、11人の参加者が集まり、賑やかな勉強会となりました。

チェックインのあと、前回の勉強会の振り返りをし、「ロールプレイや、IPSの勉強は、ときに嫌なことを思い出すものでもある」、「つらいけれども、振り返ることで次の学びにもなる」など、前回の振り返りとともに、IPSって、という話ができました。いずれにしても、IPSを学ぶ途上では、いつでもいい気分でいられるわけではないんだな、と思わされました。

マインドフルネスの後、「権力行使(パワーの関係)」に入りました。

ピアサポートの関係は完全に対等なものだといくら言い張ったとしても、実際には、そうではありません。ほとんどの関係では、常に権力(パワー)の移動が起きています。関係におけるパワーは、それについて話し合い、交渉している限り、あってもかまいません。しかし、それが存在しているにもかかわらず、テーブルの下に隠されているときには、注意しましょう!権力闘争は、多分、他のどの現象にもまして、関係(ピアサポートの全般)にダメージを与えることになるでしょう (3巻_p.12)

まずはこれを聞いて感じることや意味の分からない言葉などについて話し合いました。
「テーブルの下に隠されている」とは?
・見えないところに存在している
・気づいているけれども話題に出さない
・気づいていない
などがあり得るね、と話し合いました。

「対等、と言いながらも、たとえば妬みとか羨む気持ちを表に出さずに関係を続けていると尾を引く」、「テーブルの上に出すと客観的になれる」、なども挙がりました。

次に、「誰が鍵を持っているか」です。

✍あなたを“援助する”ために、権威(ケアマネージャー、看護師、医者など)が使われた時のことを描写してください。 
(例、あなたのためを思って。私たちは、あなたにとって何が最善かをわかっているから) 
✍どんな気持ちがしましたか?関係の質がどうなりましたか?

ここで、ご自身の医師とのいい関係についてのお話や、治りたい自分と治っちゃ困る自分とがいることに気づいた話、支援者に言われたことに納得がいかないけれども、それに従えないのは自分が何か悪いんじゃないかと思ったことなど、権威や援助や関係について、さまざまな思いが出されました。

最後は、小グループに分かれての話し合いとロールプレイです。

例:報酬をもらってピアサポートをしている時の会話。Aさん「あなたは仕事だから私に話かけているだけで、私の話を聴くのは面倒だと思っているんじゃないですか?みんな心配しているふりをしているだけで、本当に親身になって私のことを心配してくれる人なんかいないんです。」  あなたはAさんと、どんな会話を続けますか?

✍あなたはAさんに対して反射的に言いたくなるようなことがありますか? 
✍Aさんはどんなことを感じているようにあなたには見えますか?あなた自身はこう言われてどう感じますか?(お腹で感じてみる) 
✍話題をテーブルに出して話してみる。お互いに主体的であるか、対等であるか、判断をくだしてないかを意識してみる。

これをやってみての、そして勉強会全体の感想です。

  • Aさん役は自然にできるけど、受け止める側になると考えてしまって頭から振り絞った言葉になってしまった。自分の気持を話すことが大事だと感じた。
  • 相手を傷つけるかも、とか、考えてしまって言わないこととかあったが、言ってみたらいいのかも、って思えた。
  • 反射的に言いたくなることは思いつかなかった。
  • うまくロールプレイすることに頭がいっぱいになってしまった。
  • どう答えていいのかな、と思った。
  • 主体的であるか、対等であるか、判断をくだしてないか、というのがわからなかった。
  • こうしなきゃ!ではなくて、みんな正しいんだな、って思った。こうならなきゃ、とか、聞かないと、とか、思わなくていい、って思った。
  • 相手は「判断を下してしまった」と言っていたが、自分にとっては、相手は価値観を出してくれた。正直に言ってくれたら、そこの価値観が違ったとしても、それこそが対話の意味。
  • 新たな発見があってよかった。
  • 相手が自分と考えが違ったり、対話に対する向き合い方が違ったとしても、会話に招待する、ってなれたらいいですよね。

【次回の勉強会】
日時:2013年9月29日(日)15:00~17:00
場所:東京大学医学部3号館 S102
地図:http://bit.ly/hVR5pV
(9月以降は10/26 27 )、11/24(日)を予定しています。)

今日は、最後に勉強会の写真を撮りました。勉強会の会場で写真を撮ったのははじめてです!人数は毎回上下しますが、こんな感じでやっています。
はじめての方も、はじめてでない方も、いつでも大歓迎です。お会いできるのを楽しみにしています。